火災保険の類焼特約ってどんなの?役立つのはこんなケース!
「もらい火」ならぬ「与え火」をしてしまった時に使える火災保険の類焼特約。
ただ、役立つケースは限定されてしまうため、あまり必要度の高い特約ではないようです。
ここでは火災保険の類焼特約とはどのようなものか、どんなケースで有効に使えるのか、まとめてみたワン。
自分の家から出た火事で、隣家が全焼!
重大な過失がなかったとしてもなんだか心苦しいですし、感情的な問題もあるでしょうから見て見ぬフリというわけにもいかないでしょう。
そんな時、火災保険はどう役に立つの!?
火災保険にはいろんな特約(オプションのようなもの)がありますが、中には「これって何だ?」と思うようなものもあります。
「類焼特約」もその一つ。
類焼とは「火が燃え移ること」「もらい火」を意味する言葉。
ですから、簡単に言うと自分の家が火元になって隣家に燃え移ってしまった場合にその損害を補償するためのオプションです。
ただ、日本には「失火法」という法律があり、「重大な過失がない限り、類焼による損害を賠償する責任はない」ということになっています。
重大な過失とは、例えば「フライドポテトを揚げている途中に洗濯物を干し始めて、そのまま放置してしまった」
「煮物をしているのを忘れて火を点けたまま外出してしまった」
「火遊びそうな子供にライターを持たせて目を離した」等。
う~ん、ちょっとした気の緩みでやってしまいそうなミスばかりですね。
自分に明らかな非があるわけですから、お隣さんの被害を賠償するのは当然な気がします。
一方、電気設備の不具合など自分に過失がない火災でお隣さんの家も燃えてしまった場合は、賠償する責任はありません。
とはいえ、なんだかちょっと申し訳ないですよね!?
一応、自分の家から広がった火事なんですから、知らんぷりというわけにはいかないでしょう。
後で恨まれるのも怖いです。
そこで役に立つのが火災保険の類焼特約なのです!
重大な過失によって起こった火災ではないものの、お隣さんにまで損害を与えてしまって申し訳ない!
法的な責任はなくても賠償してあげたい!
そんな気持ちをお金というカタチにできるのが、火災保険の類焼特約です。
損害を受けたお宅の建物や家財について、その再調達価額(同じ物を調達するために必要な金額)を基準に支払い額が決まります。
この特約をつけておけば、どんな形で火事に遭ったとしてもお隣さんの損害分もカバーすることができるわけです。
ただ、そこにはちょっとややこしい制限があるんです。
類焼による被害は、相手方が加入している火災保険で補償されます。
それで損害の全てをカバーできる場合、火元側の類縁特約は役に立ちません。
(もちろん、不足した分は類焼特約で補償できます)
例えば、被害額が3,0000万円で相手が入っていた火災保険の補償金額が3,000万円なら、火元側の類焼特約の出番はありません。
相手方の損害は全て、火元側の類焼特約でまかなうことができます。
全く火災保険に入っていないお宅は珍しいでしょうから、類焼特約はつけていてもあまり役に立たないんじゃないか?
要らないのではないか?という意見も多いですね。
ちなみに、こちらに重大な過失があった場合、類焼特約はどうなるのでしょうか。
こちらに重大な過失がある場合
類焼特約で補償することもできますが、個人賠償責任保険の特約がついていればそちらでカバーできます。
火災だけではなく、例えば「ペットが他人をケガさせた」
「他人の車に傷をつけてしまった」
という場合にも使えますので、付加している方も多いはずです。
こうしてケース別に見てみると、類焼保険が本当に役立つのは、
「自分に重大な過失がなく、相手が十分な火災保険に加入していなかった時」のみ。
法的にみればこちらが賠償する責任はないわけですから、人によっては「そこまでして相手の損害をカバーする必要があるのか?」
「冷たい言い方だけど、火災保険に入っていない方にも問題があるんじゃないの?」
と思われるかもしれません。
また、自分に重大な過失があった場合には個人賠償責任保険でカバーできるわけですから、類焼特約は必要ないでしょ!という声もあります。
隣近所に「火災保険、入ってますか?」
「補償される金額は?」
なんて聞いて回るわけにもいきませんし、判断が難しい問題ですよね。
しかし、火事の後もその土地に棲み続けるということであれば、どんな形で損害を被っても大丈夫な状態にしておくのが安心です。
「災害対策は自己責任」
とドライに割り切れないタイプの方は、精神的なお守りとしてでも類焼特約を付加しておいて損はないでしょう。
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