電気料金 自由化 アメリカ

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どんなことでも、日本は「アメリカに倣え！」なところがあります。

 

電力自由化もその一つ。

 

すでに導入されているアメリカでは、生活はどう変わったの？

 

電気がなければ産業の活性化は実現できません。

 

企業にとっては、「1円でも安く電気をまかなうこと」が一つの課題であるとも言えるでしょう。

 

日本では2000年代に入ってからようやく特別高圧（2,000kW以上）の電力小売り自由化が始まりましたが、アメリカではもっと早い段階から電力自由化が推進されてきました。

 

1990年代後半～2000年にかけて多くの州で自由化が導入されたということですから、日本とは約10年の差があるわけですね。

 

日本では2016年4月にようやく個人消費者も自由に電力会社を選べるようになりますが、アメリカではすでに自由化が市民の生活にも浸透しています。

 

とはいえ、全く平坦な道のりだったわけではないようです。

 

なにしろ、電気料金が従来の2倍になったという話もありますから･･･これから自由化する日本の消費者としては、ちょっと心配な前例ですよね。

 

アメリカの電力自由化は、ある意味では「失敗の連続だった」と言っても過言ではないでしょう。

 

送電線の第三者利用開放がスタートした1996年と比較して、電気料金は約7セント／kWh　→　約10セント／kWhに値上がりしています。（※これは産業、家庭、商業の平均値です。）

 

「2倍」というのは言い過ぎですが右肩上がりに上昇しているのは事実ですから、ちょっとショックですよね。

 

電力が自由化すると電気料金を決める際に政府の承認を受ける必要がなくなりますので、規制がなくなって電気料金が上がる可能性もあるわけです。

 

「電気料金は安くなる」というイメージが先行している感がありますが、新しい設備にお金がかかったり、燃料費が高騰したり、天候不順で再生可能エネルギーの発電効率が落ちたり･･･と電気料金が値上がりする要因も色々考えられるんですよ。

 

さらにアメリカでは、1998年の夏にカリフォルニア州で大停電が発生！

 

原因は、電力会社が十分な電力を確保できなかったこと。（渇水による水力発電機能の低下、天然ガスの高騰などが背景にあったと言われています。）

 

これはもう、電気料金が高いとか安いとか以前の問題ですね･･･。

 

電気の需要が増える真夏には、日本でも十分に起こり得る事態です。

 

しかし、人間には「失敗から学べる」という神様から与えられたスバラシイ能力があります。

 

日本では、アメリカのような大停電を防ぐためのセーフティネットを整備。

 

発電所でのトラブルや自然災害により新電力会社が電気を供給できなくなった場合には、従来の電力会社が全面的にバックアップしてくれるシステムが導入されています。

 

この管理を行うのが、「広域的運営推進機関」という組織。

 

全体のバランスをリアルタイムで監視して電力量をコントロールしてくれますので、消費者はどこから電気を買っても基本的には安心！というわけです。

 

つまり、「自由化」といっても完全に野放し状態にされているわけではなく「管理された自由」ということですね。

• 「ビジネスチャンスがころがっている」
• 「経済が活性化する」
• 「電気料金が安くなる」

という良いイメージばかりが独り歩きする傾向がありますが、アメリカのような前例もありますのでメリットばかりではないということ。

 

私たち消費者も、「どうやってリスクを克服するのか」「政府はどんな対策を取っているのか」を知っておく必要があるでしょう。

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