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原発で作った電気料金は高い?自由化でどう変わるの?

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日本の「原発ゼロ」は実質的には約2年で終わりを迎えたことになります。

 

電力自由化を前に、原子力で発電した電気の位置づけについても議論が進められていますが、それによって電気料金はどのように変わっていくのでしょうか。

 

ここでは、自由化と原発、そして電気料金の関係について解説します。

 

電気を作る方法はいろいろあります。

 

中でも原発は、一般的には

  • 「コスパが良い」
  • 「CO2を排出しないので環境負荷が少ない」

と言われています。

 

しかし、実際のところは・・・?

 

原発はコスト面で有利?

2011年の東日本大震災以降、日本では「脱・原発」の議論がヒートアップ!

 

2013年9月には国内全ての原発が停止されました。

 

しかし、結局のところ鹿児島の川内原発は再稼働・・・。

 

今後も、同じように再開される原発が出てくるものと予想されます。

 

ところで、基本的な疑問ですが、「発電のコスト」という観点から見た場合、原発は他の発電方法よりも本当に有利なのでしょうか?

 

原子力で作った電気と、他の発電方法で作った電気とでは、電気料金が違うの?

 

まずはコストについてですが、ハッキリ言えば「NO」。

 

確かに、政府が発表している資料(広報用に使われているモデルプラン)によれば、1時間あたり1kWの電気を作るのにかかる費用は下記のようになり、原発はコスパが良いように思われます。

  • 原発・・・5.3円
  • 火力発電・・・5.7円~10.7円

しかし、実際は原発が10.32円~19.71円となり、火力発電よりもかなりコスト高になっていることがわかります。(東京電力が国に提出している発電原価を参考にしています。)

 

また、福島第一原発のような大事故が起これば、その事後処理にかかる費用はバカになりませんよね。

 

ちなみに電力自由化前は、電気料金は「発電設備の試算価値が高いほど、そこで作った電気の価格は高くなる」という国のルールに基づいて決められていたため、「原発で作った電気は火力発電よりも高く売れる」という現象が生じていたようです。

 

電力会社にとっては、「火力よりも原発で発電した電気を売ったほうが儲かる」という状態になっていたんですね。

 

原発を持たない新電力会社は不利になる?

電力自由化後は、原発を持たない新電力会社も電気を販売するようになります。

 

「原発は低コスト」が本当であれば、新電力会社は不利な状況に立たされることになりますよね。

 

再生可能エネルギーによる発電がメインの電力会社だと、送電網の整備の都合から電気料金を安くするのも難しい・・・。

 

というわけで、他のサービスと組み合わせたり、安い電力(工場の余剰電力など)を調達したり・・・といった企業努力が必要になるんですね。

 

ただ、前項でもお伝えした通り、原発は決してコスパの高い発電方法ではありません。

 

おまけに、電力自由化後は国の規制も緩和されますから、「原発だから高く売れた」という時代は終わり・・・。

 

必ずしも原発だから有利!という時代ではなくなってくるということです。

 

しかも、経済産業省は大手電力会社の原発で作った電力を卸市場に放出することを検討しているそうです。

 

大手の電力会社(一般電気事業者)だけではなく新電力会社も原発で発電した電気を調達できるような仕組みになれば、不公平感もなく市場が活性化するのではないかと考えられているのです。

 

ますます、大手電力会社にとっては苦しい状況になりそうですね!

 

これからは「発電の仕方」で会社を選ぶ時代!

私たち消費者の立場からすれば、「原発でも火力でも太陽光でも、なんでも良いからとにかく電気料金を安くしてくれ!」というのが本音。

 

実際、政府が実施した電力自由化に関するアンケートでも、約半数の人が「5%電気料金が安くなるんだったら電力会社を切り替える」と答えたとのことです。

 

しかし、中には電気料金よりも「発電方法」を重視して会社選びをする方も出てくるでしょう。

 

これまでは「あなたの家はA地域だから、○○電力会社ね!」と一方的に決められていましたが、今後は消費者が自分の価値観に合った会社を選ぶことができるようになります。

 

「私は原発反対派なのに、今までは発電方法を選ぶことができなかった。今後は、再生可能エネルギーで発電している企業から電気を買いたい」というエコ意識の高い方もいるはずです。

 

実際、このサイトの読者の中にも「平屋を新築して第二の人生を始めるならエネルギーの調達方法にもこだわりたい!」という方がいらっしゃるのではないでしょうか。

 

これからは、消費者が電力会社を選ぶ基準も「自由」!

 

ドイツの「シューナウ電力」のように、市民が作った「反原発」の電力会社が支持を集めている事例もあります。

 

今後は日本でも消費者ニーズは多様化し、それに合わせて企業側が提供するサービスのバリエーションも増えていくことでしょう。

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