長期優良住宅に大手ハウスメーカーは対応を完了しているが
大手のハウスメーカーは、長期優良住宅にほぼ対応していますが、中小の工務店は長期優良住宅に対応するにも手間がかかるという面があります。
しかし工務店がハウスメーカより劣るということでは必ずしもありません。
「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が施行された2009年。
当初は、対応できるハウスメーカーが少ないという問題点がありましたが、時間が過ぎると、大手はほぼ対応が完了した様子。
標準で長期優良住宅に対応している商品をそろえていますし、準備万端といった様子です。
しかし地場の工務店などの話を聞くと長期優良住宅への対応は、なかなか難しいとのこと。
もう少し詳しく聞くと、家を建てる技術的には難しくはないのだが、その申請に時間がかかるのが面倒、とのことでした。
申請依頼書、図面、構造計算書、申込書類などなどの審査に1カ月程度はかかりますし、書類作成にも時間がかかる。
これは、少人数で営業しているような中小工務店には大変な手間でしょう。
また通常とは違った手順で住宅を建てなくてはいけないというのも負担ですし、建築コストが上がるという問題点もあります。
建築コストの上昇に関しては、大手のハウスメーカーならば大量発注で上手くコストも吸収できるのでしょう。
しかし、中小の工務店では大量発注はできませんので、その分のコストがモロに施主に跳ね返ってきます。
全額負担をさせる訳にもいかないから、コストを工務店が被る、利益高が落ちるといった悩みもあるのです。
さて、私の住む地域で最近建てられた住宅で長期優良住宅の認定を取っている割合を調べたところ、20%弱という数字でした。
これを見て、意外に少ないという感想を持ったのですが、皆さんはどう思われますでしょうか?
これだけ長期優良住宅があちこちで宣伝されているにもかかわらず、この認定率なのです。
これにはやはり、地場の工務店が手掛けている住宅が多いというのが理由の一つ。
- 手続きが面倒、
- 工期がかかる、
- コストがかかる、
- 今までにはない手順を踏まなくてはいけない。
こんな理由で、工務店が積極的に長期優良住宅制度の利用をうながしていない結果でしょう。
そして実際、長期優良住宅はメリットばかりとは言い切れませんから、必ずしも利用しなくてはいけない制度でもないのです。
長期優良住宅の耐震等級や断熱性の基準のハードルが高すぎることは、何度も書いてきたとおりです。
また10年ごとのメンテナンスも義務付けられるのですが、コストがかかり過ぎるというデメリットもあります。
特に、子育てを終えた夫婦がコンパクトな平屋に住宅を建て替えるケースでは長期優良住宅は不必要な制度。
ハウスメーカーか地場の工務店か、依頼先も含めて考えるべきなのです。
平屋建ての総合情報
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