長期優良住宅はスキップフロアと相性が悪い
耐震性の面でスキップフロアには難があります。ですから長期優良住宅との相性はよくありません。
基本性能の底上げを狙う、長期優良住宅とスキップフロアでは、相反するところがあるのです。
そこまでこだわる必要はあるのか、、、そんな感想です。
1階と2階の間に1.5階を造る、1階を掘り下げて一部、半地下にする。
本来ならば平面で構成されるフロアに、段差を付ける造りをスキップフロアと呼びます。
通常の家ならば、空間を壁や廊下で区切ることにより、部屋を造ってやりますが、スキップフロアの場合は段差で区切る。
これにより、壁や廊下のスペースが不要になりますから、居住スペースを最大限に取ることができますし、壁がないから通風や採光がしやすくなる。
床と天井高に変化が出るので、実際より広く感じるなどのメリットがあります。
一方で、デメリットも多々あるのです。
平面図だけでどのように、施主に説明するのか、、、打ち合わせのしにくさ。
壁がないのにプライバシーは保てるのか、部屋の中に段差があるのだけど高齢者には大丈夫か。
この様に色々問題点が考えられますが、1番の問題点は、設計や施工の難しさです。
スキップフロアを得意としているのが、大手の住宅メーカーではへーベルハウス、ミサワホームぐらい。
あとは、工務店や設計事務所など小規模なところが多いですから、それだけ難しいと考えることができます。
特に問題となってくるのは耐震性の問題、長期優良住宅ならば、建築基準法の1.25倍の強度が必要なのでなおさらです。
その点をクリアするのに構造計算で苦労して、設計で苦労して、施工でまた苦労して、、、。
そりゃ、スキップフロアを積極的には請け負いたくないよな、そんなことを感じてしまいます。
例えばスキップフロアに向いているケースを考えてみましょう。
土地が狭い、傾斜地に立てなくてはいけない、、、これぐらいです。
またミサワホームのように、巨大収納の「蔵」を造った結果、スキップフロアになる、というのもあるでしょう。
構造上、長期優良住宅の耐震基準をクリアしやすい重量鉄骨造りであり、
都市型の狭小地での住宅を得意としている、こんな理由でへーベルハウスはスキップフロアを推しています。
それ以外にスキップフロアにする必要があるのだろうか、というのが正直な感想です。
無理をしてまでスキップフロアにるす必要性は全くない、特に長期優良住宅には向いていないのです。
最後に平屋のケースについて考えてみます。
平屋をスキップフロアにすることにより、変化があるユニークな住宅にすることも可能と考えることもできますが、
そんな場合は、大きな吹き抜けのある2階建ての住宅と何ら変わりはなくなりますし、大切なバリアフリー性が損なわれます。
これもまた、あまり向いていないと考えることができるでしょう。
何事もオーソドックスが一番です。
平屋建ての総合情報
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