長期優良住宅の基準をクリアする家を建てるのは簡単だけど
長期優良住宅に認定される基準は10項目あり、これらすべてをクリアする必要があります。
建築時の基準をクリアする費用は減税などで賄えますが、問題は長期優良住宅の維持管理の費用、これが不透明だけに心配なところです。
長期優良住宅の認定を受けるには、設けられている様々な基準をクリアする必要があります。
それぞれの基準をみていきましょう。
劣化対策
構造躯体が100年程度使用できること、丈夫な構造が必要となります。
耐震性
建築基準法の想定されている1.25倍の地震でも倒壊せず、改修工事ができること。
維持管理・更新の容易性
内装や設備に関する基準、補修や交換が容易にできる設計が必要です。
可変性
住む世帯のライフスタイルに合わせた間取りに容易に変更できること。
バリアフリー性
廊下や階段の幅についてあらかじめ、確保しておく必要があります。
省エネルギー性
断熱性能が確保されていなければなりません。
住居環境
地域の景観を乱すような住居は認められません。
住戸面積
一戸建ての場合75平方m、マンションの場合55平方m以上の面積が必要です。
維持保全計画
定期的な点検や補修により住居の性能を維持する計画を立てなければなりません。
以上が長期優良住宅に必要な基準です。
これにより、税制上の優遇制度を受けることができたり、利率が安いローンである「フラット35S」を利用できたりと、
受けることができるメリットは大きいものがあります。
その一方で、建築時や維持管理に費用がかかるデメリットもあるのです。
始めから長期優良住宅の条件を満たしているようなものなら良いのですが、
改めて、長期優良住宅の条件に適応したものを建てるとなると、坪単価にして2、3万のアップになるという試算があります。
また上記の基準の最後の項目「維持保全計画」については、あらかじめ計画を提出する必要がありますし、それが継続して行われていることを証明する必要があるのです。
維持管理にかかる費用については不透明ではありますが、タフさで知られるへーベルハウスですら30年目に数100万円必要。
このことを考えても、決して軽い負担では済まないことが予想されます。
長期優良住宅の認定を受けていないような、古い住宅でも築数10年というものは、よく目にします。
また、子どもや孫の世代になっても同じところに住み続けるというという保証もありません。
例えば1世代程度持てばいいならば、長期優良住宅の基準を受けること自体ムダと考えることができるでしょう。
また、住宅の資産価値の向上も長期優良住宅の制度は狙っているのですが、実際のところどの程度向上するかは不明。
人口が減って住宅が余るとされている時代に、長期優良住宅の意義自体疑問という考え方もあります。
長期優良住宅の基準をクリアするだけならば簡単ではあるのですが、その先までを考えると、なかなか難しい問題なのです。
平屋建ての総合情報
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