電力自由化で電気料金はどうなるのかAmazonで専門書を買ってみた
電力自由化については、ネットを中心に不正確な情報も氾濫しています。
「電気料金が安くなる」「消費者にとってもメリットいっぱいの制度だ」という話がまことしやかにささやかれていますが、実際はどうなのでしょうか。
まずは一人一人がしっかり事実を知ることが大事！
というわけで、さっそくAmazonで関連書籍を探しましょう。
ここでは、Amazonで評判の良い電力自由化に関する本を3冊ご紹介します。
TVのニュースや新聞では、聞きなれない言葉がたくさん出てきてよくわからない･･･。
そんな電力自由化について一から学ぶにはどんな書籍がオススメ？
Amazonで電力自由化に関する書籍を購入するなら、まずはこちらを発注してみてください。
日本経済新聞出版社から出ている『電力自由化～発送電分離から始まる日本の再生～』という本です。
出版先を聞いただけでも、説得力のありそうな書籍ですよね。（この手の本は、著者の解釈が間違っていたり、偏った意見の押しつけだったりするケースも多いので･･･。）
著者の高橋氏は東京大学法学部政治コースを卒業後、ソニーに入社。
内閣官房IT担当室の主幹を務めた実績をお持ちで、この書籍が発行された2009年当時は富士通総研経済研究所主任研究員としてご活躍中。
その経歴から、「専門用語がたくさん出てきてわかりにくい内容なのでは？」と思われるかもしれませんが、実際の中身は素人にも非常にわかりやすい形でまとめられています。
よく聞く「発送電分離とは何か？」、そもそも「変電所とは何をする設備なのか？」という基礎の部分から理解を深めていくことができます。
海外のケースも併せて紹介されており、日本における電力自由化の問題点もあぶりだされていきます。
スマートグリッドの考え方についても詳しく解説されていますから、「電力自由化関連のニュースを見ても何が何やらさっぱりわからない」という方にもおすすめですね。
自由化することによって電気料金はどうなるのか、日本の未来はどうなるのか･･･具体的な未来像を描く助けとなりそうな一冊です。
電力自由化については、様々な誤解があります。
なにしろ、今までは特定の企業が独占する状態にあった市場が開放されるわけですから、フタを開けてみないとわからないというのが実情といったところです。
そこで、消費者が抱くであろう様々な疑問、誤解を解くお手伝いをしましょう！という発想で出版されたのが、㈱ウェッジの『誤解だらけの電力問題』です。
Amazonのレビューではおおむね好評価されていますよ。
著者の竹内氏は約8年の東京電力勤務を経て、現在はNPO法人国際環境経済研究所理事・主席研究員を務めていらっしゃいます。
地球温暖化国際交渉や環境・エネルギー政策にも携わっているということなので、電力の分野では取材を受ける機会も多いのでしょうね。
電力業界やエネルギー問題についての様々な疑問を、具体的なデータを交えつつ丁寧に解き明かしてくれる一冊！と、好評です。
ところで、よくある誤解No1と言えば、「電力自由化になると電気料金が下がる」というものでしょう。
実際はどうなのか？
この本では、ドイツやフランスの例なども交えて解説されています。
元東電職員ということで、その企業体質についてもバッサリとダメ出し！
東電が表には出さない不都合な真実についても触れられているということで、電力自由化とは別の意味で興味深い一冊ですね。
電力自由化を前にエネルギーについて勉強してみたい、という方向けの入門書という位置づけですが、電力を供給する企業側の人々に対する強いメッセージや願いが込められた本でもあります。
最後は、強烈なタイトルに思わずポチりそうになる1冊！
エネルギーフォーラム出版の『日本を滅ぼすとんでもない電力自由化』をご紹介しましょう。
こちらの作者も、東京電力の方ですね。
同社の常務監査役、特別顧問を務めたご経験があり、現在は福岡大学法学部の客員教授。
電力自由化では「電気料金が下がる」という情報が独り歩きしている感がありますが、本書は「電力が不足している日本で電力自由化を行っても電気料金は下がらない」という厳しい現実を突きつけます。
私のように全くエネルギー問題に関する知識がない消費者の多くは「原発の稼働がストップしていても、これからは再生可能エネルギーでなんとかなるんじゃないか？」と、どこか楽観的に考えているところがあるのではないかと思いますが、実際はそんな甘い状況ではないようで･･･。
現に、結局日本の「原発ゼロ」は約2年で終わりましたからね。（2015年8月には、鹿児島の川内原発が再稼働しました。）
資源のない日本が電力自由化を行うことがどれだけ難しいことなのか、どんなリスクがあるのか。
どこか遠い世界のことのように考えてしまいがちなエネルギー問題を“我がこと”として認識させてくれる、Amazonでも人気の一冊です。
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