アイダ設計の家は本当に555万円で建ったのか?!
目次
- 「555万円の家」。そのカラクリは・・・
- 「555万円」で本当に家は建つのか?
- 実はアイダ設計だけじゃない!ハウスメーカーのちょっといやらしい戦略
- 実際に555万円の家を買った人の感想は?
- 反省点を生かして開発!888万円の家の特徴
- 888万円の家って間取りはどんな感じ?実例を見てみよう
- 555万円で家を建てられるメーカーもあるの?
- 「555」「888」の次は1375
- 2022年の推しは「いろどりアイタウン」です
- 888の後継モデルは「ブラーボ」
- 【まとめ】555万じゃ建たない!でもやっぱり安いアイダ設計
「これっぽっきりで家が建てられるの?」と人々の関心を惹きつけたアイダ設計の555万円の家。
実際のところ本当に555万円で家が建てられたのかどうか興味津々な方も多いのではないでしょうか?
また、実際に住んでみた感想も気になりますよね。
そこで今回は、555万円の家のリアルな価格情報や、住み心地に関するオーナーさんの声を集めてみました。
「一体、この家はいくらなんだろう?と、謎多き住宅の世界。
そんな中、「555万円」という具体的な価格を前面に押し出したアイダ設計の家は衝撃的でした。
今はないこの商品ですが、実際のところどんな家だったのでしょうか?
一度でも大手住宅メーカーの営業を受けたことがあるという方なら、「555万円で家が建てられる」というのはにわかには信じられないはず。
555万円とは、メーカーによっては家を建てる「頭金」にしかならない金額です。
「これっぽちで家を建てられるなんてありえない!」と思う数字だからこそ、アイダ設計の「555万円の家」はガツンとくるインパクトがあったのでしょうね。
なぜアイダ設計がそんな強気な価格の商品を扱うことができたのか?というと、具体的にはこんなカラクリが挙げられます。
注文住宅ではなく、規格住宅だったから
設備はほとんど、提携しているメーカーから一括で大量購入。
平たくいえば、「まとめ買いだから安く提供できた」ということです。
例えば家の骨組みはあらかじめ寸法通りにプレカットしたものを使用しています。
間取りがどシンプル
間取りが複雑になれば、それだけ人手もかかりますし工期も長くなります。
その点、555万円の家は延床面積15.12坪×1LDKの超シンプルな間取りでした。
建物本体だけの費用が「555万円」
つまり水道や電気の工事などの費用は別途加算されていたということ。
本当に「箱」だけの金額だったから安く見えたのだ!と指摘する声も多いです。
エリアが限定されている
全国展開ではなく、施工地域が限定されているから安いというメーカーもあります。
実際、地域密着系の工務店は大手メーカーよりも安い!
工事は下請けに丸投げ
大手にありがちなのが、「実際の工事は下請け業者に丸投げ」のパターン。
職人の技術レべルにバラツキが多く、結果的に出来上がる家のクオリティにも差が生じてしまいます。
法規制ギリギリの建物かも?
家を建てるには様々な法規制をクリアする必要があり、大手の高級住宅はたいてい、それらの基準を“余裕”でクリアしています。
が、ローコスト住宅の場合は基準ギリギリ&すれすれでクリアしている場合が多いので、安全面で不安が残るという一面も・・・。
つまり、「選ぶ自由がない」「無駄ない、遊びもない」「必要な設備もない」と、ナイナイ尽くしだったから安かったのだと解釈できます。
安さのカラクリについてはコチラの記事もぜひ参考にしてみてくださいね。
⇒ 分譲住宅が大得意なアイダ設計
実際のところ、アイダ設計側は「安さの理由」をどう説明しているのか?というと、残念ながら2019年1月現在、同社の公式サイトに「555万円の家」の紹介ページはありません。
代わりに「888万円の家」という商品が売り出し中!
https://www.aidagroup.co.jp/order/view/13
これは「555万の家のグレードアップ版」とのことですから、アイダ設計側としても555万円の家を「これ以上、扱っていくのは難しい」と決断する理由があったのでしょう。
アイダ設計はナゼ555万円の家を売ることを止めてしまったのか。
その理由としては、やはり「555万円で家は建たない」という問題があったのではないかと推測されます。
実際に同社で見積もりを取った方のブログなどを参考にしてみると、
- 付帯工事費(電気、水、ガスetc)
- 設備費(キッチン、バス、トイレetc)
- 外構工事費(庭、門、ポーチ、駐車場etc)
- 消費税などの税金
これらを含めて少なくとも300万円~400万円はかかるとのこと。
あれこれオプションを含めたら、軽く500万円のプラスになって、下手すりゃ2倍!
つまり、「555万円の家」は実際には「1000万円の家」だったというケースも少なくないのです。
そのため、「だまされた!」と感じた方もいたでしょうし、そういった不満の声も多く上がったためにメーカー側としても「ちょっと考えなくちゃいかんかな?」となったのでしょう。
土地ナシ・建物のみで1000万円でも一般的な相場からみれば十分にお安いのですが、やはり「555万円の家」と言い切ってしまっていたために不満も上がりやすかったのではないかと推測されますね。
しかし、そのような戦略(安く見せかけて、実は安くない)で売っているのはアイダ設計だけではありません。
実はどこのメーカーでも多かれ少なかれそのようなテクニックを使って集客しているんです。
例えば、家の相場を表す数字として「坪単価」がありますよね。
これは建物の価格を面積で割って出した数字ですが、「坪単価30万円」を謳っていても実際に建てみたら40万円/坪オーバーなんてザラ!
なぜなら、「価格」に含まれているものがメーカーによってバラバラだからです。
建物の「箱」の部分だけの価格を面積で割ったものを表示しているメーカーもあれば、そこに各種設備や工事の金額も含まれているという良心的なメーカーもあり。
住宅の価格表示には明確なルールがないのでメーカー毎に基準はバラバラで、坪単価って実は単純には比較できないものなんですよ。
ですから、「ここ、坪単価安いね!」と思えるメーカーほど注意が必要です。
住宅メーカー側がどんなテクニックを使って「安く」見えるようにしているか?・・・コチラの記事を読むとわかりやすいと思うので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
⇒ 抵当権と住宅ローン完全ガイド 「坪単価とオプションの罠について」
しかし、あれだけCMもバンバン流していたわけですから、555万円の家を実際に買った人も少なからずいらっしゃるはず。
そのオーナーさんたちはどう評価しているのでしょうか。
アイダ設計についての口コミは、まさに賛否両論ありますね。
- 「大満足です」
- 「以前よりもクオリティが高くなった」
- 「理想の家が仕上がった」
- 「アイダに頼んで良かった」
- 「内装も気に入ってます」
- 「職人さんの腕が良かった」
というポジティブな声がある一方で、以下のようなご不満の声も。
- 「ハリボテみたい」
- 「対応が感じ悪い」
- 「ファミリーで住むには狭過ぎる」
しかし、総じてそのクオリティについてネガティブな声は少なく、むしろ「これでこの金額だったら安いよね!」と好評価している声が多いという印象です。
15.12坪×1LDKでは子連れファミリーにはちょっとキビシイかもしれませんが、夫婦二人でシンプルに暮らすにはちょうど良いサイズ感の家と言えるでしょう。
さて、なにかと話題だった555万円の家ですが、その後続商品として売り出し中なのが、既出の「888万円の家」。
こちらは「28坪 2階建て 4LDK 自由設計」ということなので、555万円の家に比べるとかなりバージョンアップしていますよね。
555万円の家で上がった不満点を888万円の家で克服したということなのか?さっそく、888万円の家の特徴を見ていってみましょう。
まず、基本となる間取りは「28坪 2階建て 4LDK 自由設計」とのことで、555万円の家の「1LDK」からすればかなり広々と余裕がありそう。
これなら、ファミリー世帯でも住めるかも~と希望が持てますね。
気になる標準装備としてはこんな設備を備えています。
- カラーTVモニター付きインターホン
夜間でも訪問者の姿をハッキリ映し出すことができます。
- LOW-Eペアガラス
夏の暑さ、冬の寒さをしっかりブロック!
- ECOジョーズ
従来の給湯器では捨てていた熱(200℃の燃焼ガス)を使って水を温めます。省エネでガス代の節約に。
- システムキッチン
公式サイトには明記されていませんが、メーカーは、クリナップとLIXILサンウェーブから選べるようです。
- ユニットバス
公式サイトには明記されていませんがメーカーはハウステックとLIXILから選べるようです。
- シャワー付きトイレ
従来品に比べて69%の節水効果あり
- 鉄筋コンクリートベタ基礎
さらに「8」にちなんで8つの特別仕様を採用!
- 食器洗い乾燥機
- 対面式カウンターキッチン
- タイガーハイクリンボード(ホルムアルデヒドを吸収・分解する室内用ボード)
- オシャレで便利な収納つきトイレ
- 浴室暖房換気乾燥機
- 収納力がUPした洗面台
- 浴室TV
- 全熱交換換気システム
なるほど、こうしてみるとかなりリッチ感のある装備になっているみたいですね。
ただ、こちらも本当に888万円で家が建つのか?というと、付帯工事や諸費用を加えなければなりませんから、とっても建たない。
概算で、1,200万円はかかってしまうでしょう。
しかし、アイダ設計の888万円の家の広さは延床面積で28坪!家族連れでも大丈夫ということで、555万円の家に比べれば満足度も高いのではないか?と推測されます。
実際、888万円の家間取りについての不満を並べる書き込みは少ない!
確実に、555万円の家よりはグレードアップしているんじゃないか?という印象です。
こちらの記事を読んでいただければ、きっと「アイダ設計、悪くないじゃん!」と思ってもらえるでしょう。
⇒ アイダ設計は最悪なのか?建売の評判は良い!888万円の家を調査
SUUMOなど住宅情報サイトを探してみると、「888万円の家」はわりと簡単に見つけることができます。
https://suumo.jp/chumon/housemaker/rn_aida/shohin/sc_013/
実際の間取り実例を見てみると、
- 1階のリビング・ダイニングで15畳
- キッチンが6畳
- 2階の6畳の部屋を子供部屋に
- 2階の8畳の部屋を寝室に
こんな感じで、あえて4LDK→2LDKの仕様にして広々と暮らしているオーナーさんもいますね。
夫婦+子供1人の我が家のようなファミリーには参考になりそうな間取り例ではないかな?と思います。
結局のところ、「本当に555万円でアイダ設計の家が建ったのか?」ということに関していえば、この金額では建ちません。
900万円ほど払って建てたとしても、ターゲットはどこなのかよくわからない間取りのものでした。
そして、現在の主力商品は本当に888万円で家が建つのか?といえば、やっぱり建つことはないのです。
そう考えると「超ローコストだから」という、ただそれだけの理由でアイダ設計を選ぶのは“ナシ”かなあと。
しかし、まあ付帯工事や諸費用が必要なのは、どんな住宅メーカーでも同じこと。
それらの金額を加えても、やっぱりアイダ設計が格安なことには変わりがないのです。
では、555万円で新築するのは本当に無理なのか?というと、実はそうとも言えません。
こちらのサイトで紹介されている通り、地元密着でコツコツやっているような工務店であれば建築費用を抑えて良質な家を建てられる可能性もあります。
⇒ aiuewo 「500万のローコスト住宅のメリットとデメリットを解説」
家を建てる費用には、メーカーの宣伝広告費やFC加盟のための上納金なども含まれているため、知名度が高いメーカー(=それだけ宣伝広告にお金をかけているメーカー)ほど金額が高くなる傾向にあります。
言ってみれば、ブランド料みたいなものでしょうか。
「○○ハウスで建てたんだよ~」と自慢できるのは確かに誇らしい感じもしますが、建物以外の部分にお金がかかるなんて、なんだかバカバカしいですよね。
一方、その地域でしか名前を知られていないような中小メーカーであれば、宣伝にもFCにもお金がかからないので純粋に材料費や人件費、申請にかかる費用なども含めて「555万円」というのも可能かもしれません。
熊本のヒラキハウジングさんや静岡県のirohacoさんのサイトを参考にしてみると、大手メーカーとの根本的な違いが腹落ちするはずです。
【熊本県 ヒラキハウジング「建つんです500」】
https://www.hiraki-h.com/500/index.html
【静岡県 irohaco「685万円プラン」】
https://irohaco.jp/
555、888とゾロ目にこだわってきたアイダ設計。
コロナの影響で「おうち時間」が増え、住宅に求められるものが大きく様変わりした2021年現代ではどのような商品を推しているのでしょうか?
555、888ときて、次に同社が打ち出しているのは本体価格・税込み1375万円の家です。
出典:アイダ設計 公式サイト オープンテラスのある平屋 プラス
ゾロ目シリーズからの大きな変更点は、なんといっても解放感のあるオープンテラスでしょう。
画像をご覧いただくとわかるように、リビングとテラスの間には段差がありません。
ほとんど部屋と一続きな感じてテラスがあるので、小さなお子さんや高齢の方にも安心の設計。
個人的には、無印良品の「陽の家」とコンセプトが似ているなあと感じました。
⇒ 参考:無印良品の家の総額を知りたい!結局、安いの?高いの?
リビングからだけではなくベッドルームからもテラスに出入りできるので、布団を干しやすい&寝室の湿気対策になるというのもポイントですね。
全体的に日当たりや風の通りなど「心地よさ」を重視した間取りになっているのがわかります。
「オトク」「機能的」というだけではなく、「気持ち良さ」を重視した設計になっているというのはコロナ時代ならでは!
これまで以上に住宅に求められる要素が増えているだけに、今後の「ローコスト住宅」業界の動向が気になりますね。
ある意味では、今まで以上の「ひとひねり」がないと顧客の心には響かないのではないでしょうか。
2022年、アイダ設計がプッシュしているのは、こちらの「いろどりアイタウン」という分譲住宅。
年間の販売実績は3100棟ということで、同社の力の入れ込み具合がよくわかりますね。
ただ、価格は、場所にもよりますが決して安くはありません。
土地を含めての価格になるということもあってか、2000万円台~といったところ。
その分、周囲の環境や生活動線にまで配慮された商品となっていて、その点も選ばれるポイントになっているようです。
もはや555万円の家ほど「安売り」路線はしなくなったわけですが、その分だけ「暮らしの豊かさ」という面で新しい価値を提供できるメーカーになったという印象。
時代が求めるものをキャッチし、柔軟にそのニーズに合わせられる企業は、やはりどんな分野でも強いですよね。
ローコスト住宅で認知が定着していたところを、あえてそのイメージを覆す作戦でくるあたりは、タマホームにも近いものを感じます。
公式のインスタグラムでは、新築物件を動画で紹介するなど、見せ方も上手い!
出典:アイダ設計 いろどりアイタウン 公式インスタグラム 物件紹介動画
個人的には、収納としても机としても使える「壁付けの棚」がたくさんあるという点が魅力的だなあと感じました。
「アイダ設計の物件を内覧してみたいけどなかなか機会がない」という方はぜひこちらもチェックしてみてくださいね!
555万円の家の進化版が「888万円の家」になるわけですが、2022年10月現在はこの888の家も公式サイトには掲載されていません。
現在は、「ブラーボ」というシリーズ一本で販売しているようです。
スタンダードなブラーボの他に「ゼネクト」「コンフォート」があり、それぞれ金額も異なります。
888に最も近いのは、このスタンダードなブラーボ。
「断熱と耐震の家」を謳い文句としていて、永く安心して暮らせる家をコンセプトとした商品です。
最近主流の、「線ではなく”面”で揺れを受け止める」系の構造になっていて、地震に強いのがアピールポイント。
また、「プレカット」の工程を自社工場で行うことでコストカットを実現している点を強調しています。
- 外壁材 ニチハのケイミュー
- キッチンはクリナップまたはLIXIL
- バスルームはハウステックまたはLIXIL
- 洗面化粧台はTOTO
スタンダードで国内一流メーカーの設備を採用でき、非常にコスパが良い商品と言えるでしょう。
気になるお値段ですが、今現在のアイダ設計の坪単価が32~65万円ですから、単純計算で30坪なら960万円~(※あくまでも本体価格です)
888万円の家も、実際はプラスαで1000万円は超えていた方が多かったようなので、「888万円の家」を求めている方にとっては十分に候補になり得る商品ではないでしょうか。
【まとめ】555万円じゃ建たない!でもやっぱり安いアイダ設計
以上、アイダ設計の名を世に広めた「555万円の家」についてまとめてきました。
ここでそのポイントをもう一度整理してみますね。
- 555万円の家は「無い・ナイ」尽くしで、その分、安い
- 各種工事、設備を含めると約1000万円
- 口コミ評価は決して悪くはない
- 今は販売されておらず、「888万円の家」が主力商品
- 家族で暮らすなら、断然、888万円の家がいい!
- 地元密着の工務店なら555万円でも家を建てられる可能性がある
個人的には、「555万円」とか「888万円」とか具体的な金額を提示して集客する戦略に潔さを感じました。
でも、いっそ諸々の金額を含めて『コミコミ1000万円の家』とかで売り出したほうが誤解もなかったでしょうし、買うほうも安心して話を進められるのではないかとも感じます。
いずれにしても、「555万円の家」に限らず、ローコスト住宅を購入する場合は「その金額に何が含まれていて、何が入っていないのか」をまずはしっかり確認することが大事ですね。
平屋建ての総合情報
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