蔵のある家は階段がキツい!それでも選ばれる理由とは?
蔵のある家を作るということは、「蔵」の分だけ室内に段差(スキップ)が生じるということ。
平屋でも階段のある間取りになりますが、メリットもあればデメリットもあります。
階段と蔵、そして居室はどんな位置関係になっているのが使いやすいのか、実際の「蔵のある家」の施工事例を見てみましょう!
普通であればただの“空気”であるだけの、1階と2階の“間”のスペースを有効利用できる!
・・・これが蔵のある家の最大のメリットですが、生活動線の上でのデメリットがあることも忘れてはいけません。
「蔵のある家」の特徴は、家の縦方向のスペースを有効に活用できるという点。
例えば、1階部分に蔵を設ければその上の部分を1.5階として使えますし、2階部分に設けるなら2.5階を作れますよね。
1階と2階の間に蔵を作ると、そのスペース自体が1.5階という位置づけになります。
つまり、「蔵」を設けることで縦方向の「層」が一つ増えることになりますから、階段の数は増えます。
先輩オーナーさんの話によれば、蔵の分だけ7~8段増える、もしくは階段の勾配がキツくなるということです。
平屋の場合だと、「本来は段差がないのがメリットのはずなのに階段がある」ということで、不都合を感じることもあるでしょう。
しかし、階段が増えることは悪いことばかりではありません。
なにより、「上に昇っていく」というのはある種のワクワク感があります。
特に、子供は階段が大好きですからね!
家の中に階段がない平屋と、蔵のある家(平屋バージョン)の内部を見比べてみました。
大きな違いは、空間に“スキップ感”が出ること。
蔵の高さ(1.4m)の分だけ階段をつけることになりますが、これによって視覚的・心理的なメリハリがつきます。
ほんの数段でも階段があることで、ちょっとした“境界”ができて空間をうまく仕切ることができるのです。
また、一層増えることによって建物の高さが高くなります。
その結果、2階リビングやバルコニーの位置が隣家よりもちょっと上になるんですよ。
これにより、「隣の家の人の視線を気にしなくて良い」というメリットが生まれます。
暑い日に、窓や網戸を開けっ放しにしてグータラ寝転んでいる時に隣の家の人と目が合っちゃた・・・なんて気まずい思いをすることはなくなりますね。
また、建物が高いと家の中の風通しも良くなりますので、風水・家相的な観点から見ても吉相の家になりそうです。
ただし、階段があるということは「バリアフリーではなくなる」ということ。
ほんの数段であっても、小さなお子様や身体の不自由な高齢者の方にとっては大きな障害になります。
蔵のある家をお考えの場合は、家族の生活動線を踏まえてレイアウトを熟考する必要があるでしょう。
最近の新築住宅の間取りを見ていると、リビングに階段がある、いわゆる「リビング階段」が人気のようですね。
この中には、蔵のある家も結構な割合で含まれています。
例えば、1階と2階をつなぐ階段の踊り場に「蔵」がある間取り。
どちらのフロアからもアクセスしやすいので、季節ものやお客様用の布団を収納したりするのに便利だそうです。
また、1階 or 2階の部屋とつながったタイプの蔵を設けているお宅も多いですね。
本棚や飾り棚を扉にしておけば、そこに蔵があることも気づきません。
ちょっとした隠れ部屋のように使えるというのが人気のようです。
このようなケースでは、蔵の上の部分を客間(和室)や子供部屋として活用しているケースが多いですね。
“ロフト”のような感覚で、リビング階段を使ってアクセスできるようになっています。
さらに、都会の狭小地では、1階部分をカーポートにしてその上に蔵を作っている事例も多いですね。(いわゆるビルトインガレージ)
ガレージの場合は普通の部屋ほど天井の高さが要らないので、その余裕を有効に利用して蔵を作っちゃったよ!というパターンです。
もちろん、1階のガレージからも2階の居室空間からも階段でアクセスできるようになっています。
カーポートと居室の間に蔵を挟むことで、排気ガスのニオイや下からの冷気の問題も解消されるのだとか。
なるほど、アイデア次第でいろんなパターンの「蔵のある家」が作れるんですね。
いずれにしても、蔵のある家を作る場合は「階段」「蔵」「居室」をセットで考える必要がありますので、家族構成や家族のライフスタイル、生活動線についてみんなでよく話し合いましょう!
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