ミサワホームの高断熱を叶える断熱材の秘密とは?UA値は0.55!
目次
- ミサワホームの断熱材は「グラスウール」です
- 誤解されがち?グラスウールのデメリット
- だからこんなことにこだわっています
- さらにスゴイ!「ハイブリッド住宅」の断熱工法
- 気になる!床と天井の断熱構造
- 断熱材よりプラスαで大事なコト
- 水の性質を利用した暑さ対策がスゴイ!
- 新発売の「CENTURY Primore」は大開口なのに高断熱?
- 【まとめ】断熱材とデザインの合わせ技で高断熱を実現!
夏は涼しく、冬は暖かく。
気候に左右されず1年中快適な生活を維持するためには、住宅の「断熱性能」にこだわる必要があります。
そのカギを握るのが「断熱材」ですが、ミサワホームではどのような断熱材が使われているのでしょうか。
そのメリットやデメリット、ミサワホームならではの工夫についてまとめました。
同じ新築住宅でも、暑い家もあれば涼しく快適な家もあります。
ミサワホームの家jはどうなのか?また、断熱材へのこだわりについて注目してみましょう。
ミサワホームで採用されている断熱材は、「グラスウール」という素材。
建築現場でよく見かける、黄色い“綿”みたいなものです。
その素材は、実はリサイクルガラスを繊維化し、綿状に固めたもの。
繊維と繊維が絡み合い、その間に空気を閉じ込めることで熱の移動をブロックするという仕組みになっています。
ダウンジャケットは羽毛の隙間に空気をため込むことができるから暖かく感じるのですが、グラスウールも基本的には同じ原理で、「空気を保持する」という点がポイントになります。
ミサワホームの公式サイトでわかりやすく解説されていますが、ミサワホームの場合は1本1本の繊維が細いタイプのグラスウールを使っているので、より空気の層が動きにくく、熱の移動を効果的に食い止めることに成功しているんです。
実際、ミサワホームの断熱性能は「UA値 0.55」で、国が定めた基準値(0.87)を超える断熱性能を備えています。(熱の損失量を表す数字なので、値が小さいほど熱を損なわない=断熱性が高いという解釈になります。)
UA値が028という驚異的な数字をたたき出している一条工務店に比べると断熱性能はかなり落ちると言わざるを得ませんが、業界全体でみると上位10位内にランクイン。
変形や腐食などの変質も起こりにくいので、住宅の断熱性能を低下させないというメリットもアピールポイントですね。
「燃えにくい」「吸音効果がある」という点も注目すべきメリットと言えます。
一方で、グラスウールにはこんなデメリットも指摘されています。
- 湿気に弱く、カビやすい
- 水分を含むとズレが生じやすい
「グラスウールは絶対に使ってはいけない」なんて警鐘を鳴らしている専門家もいて、これから家を建てる人にとっては無視できない話です。
実際に、ミサワホームの口コミでも過去には「断熱性の高さを謳っているのに結露した」といった書き込みもありました。
なぜそのようなことが起こるのか?本当にグラスウールは欠点だらけの断熱材なのか?というと、誤解されている部分も多いようです。
こちらの断熱材メーカーのサイトが参考になるんですが、実はグラスウールは吸湿性を持たない材料なのだとか。
そのため、
「断熱材素材そのものが湿気を吸うことはありません」
「グラス―ルは湿気に弱いから内部結露の原因になるというのは誤解です」
と明記されています。
湿気を吸わないのですから、それが原因でズレるということもあり得ないわけですよね。
それならばなぜこのような誤解が生じたのか?
同じくMAGさんのサイトに写真つきで解説されていますが、グラスウールという断熱材そのものに原因があったわけではなく「施工の仕方が不適切だった」のが問題だったようです。
かつてはグラスウールについての知識不足や施工ミスによって隙間が生じ、防湿が不十分になって「湿気が壁の内側に侵入する」ということもあったのだとか。
しかし、今は断熱材の施工技術も格段に向上しているため、こういったトラブルはほぼあり得ないのです。
正しい施工事例と間違った施工事例についても写真が掲載されていますのでご覧になってみてくださいね。
このように、ミサワホームで採用されている断熱材は「施工の仕方(詰め方)」がマズイと内部結露が生じてカビてしまうリスクがあります。
今はほぼそんなことはない、と言われても、リスクがゼロでないのであればやはり消費者としては心配ですよね。
その点、ミサワホームではあらかじめ断熱材のズレを防止する施工方法を採用しています。
これは「充填断熱工法」という方法で、壁体内に(柱などの構造材の間に)断熱材を充填するという方法です。
出典:ミサワホーム公式サイト 木の家の特性をいかした「充填断熱工法」
現場で断熱材を組み込むのではなく、あらかじめ、工場で木質パネルを生産する際に隙間にグラスウールを充填するという手法を採用。
また、パネル内には外気が侵入しないような設計になっているので、空気の対流が起きて断熱性が損なわれるという心配もないのだそうです。
パネル同士も密閉性の高い接着剤で接合されており、“隙間”をなくす方向で対策を徹底しているんですね。
隙間なく密閉されており、しかも防湿の対策も十分に施されていれば壁の内部に湿気が入り込むことはないでしょう。
それなら「断熱材が湿気を含んで、そこから家が腐る」というリスクも回避できます。
上記で紹介した充填断熱工法は、主に木造軸組工法の家で使われている方法なのですが、鉄骨系の住宅ではさらに上をいく断熱工法が採用されています。
それは、「ハイブリッド」という方法で、外張断熱と充填断熱の合わせ技で断熱効果をUPさせたもの。
まずは、使用している断熱材(グラスウール)の厚みが従来よりも5mm厚くなったことで「断熱性能が約1.4倍UPしている」のがポイントです。
さらに、壁体内での飽和水蒸気圧の低下が効果的に抑えられているという点に要注目。
空気中に含むことができる水蒸気量(飽和水蒸気圧)が変化するポイントで「水」が生じて結露するわけですが、ハイブリッド外壁は断熱性が高く、断熱材が空気層に触れる部分でも飽和水蒸気圧が低下しないので結露が生じにくいというわけです。
秋も深まってくると、壁越しだけではなく足元から伝わってくる冷気も気になり始めます。
もちろん床下にも断熱材は施されているはずですが、ミサワホームの床下構造はどのようになっているのでしょうか。
出典:ミサワホーム 公式サイト 断熱性 足元からの冷えを防ぐ1階床の断熱。
画像を見ると、床下にもムラなく断熱材(グラスウール)が敷き詰められているのがわかります。
ポイントは、工場生産していること。
だから品質を均一に保つことができるのです。
接合部は高分子接着剤とスクリュー釘でしっかり固定されているので、ズレ無し、断熱性・気密性もUP。
これなら、隙間から冷たい空気が入り込むこともないでしょう。
一方、夏の暑さを考えると天井の断熱も気になりますね。
これについては、グラスウールに加えてロックウールも使用しています。
出典:ミサワホーム 公式サイト 断熱性 夏の輻射熱を抑える天井・屋根の断熱・遮熱。
ロックウールの特徴
- 鉱物由来の繊維状の断熱材
- 火に強い
- シロアリの被害を受けにくい
- 水をはじく
- 発がん性がない
グラスウールに比べるとコストは高くなりますが、グラスウールにはないメリットもあるので、二つを合わせ技で使っているのはミサワの強み。
画像のような二重構造で、冷気のみならず夏の暑さにも備えることができます。
「床下とか天井とかは外からは見えない部分だし、とりあえず安く済む方法でいいか・・・」と妥協してしまいやすい点ですが、長い目で見ればこういった部分にこそ惜しまずコストをかけるべきですね。
このように、グラスウールを使った断熱は、断熱材の性質に加えて「施工方法」やその技術によっても効果に差が出ます。
その点、ミサワホームは大手ということで実績も豊富ですし、「施工方法がマズくて断熱性が落ちる」なんてミスはないはずでしょう。
ただ、断熱材に頼るだけでは住宅の断熱性能を向上させるのは不十分です。
実際にミサワホームでは、断熱材だけに頼るのではなく設計や間取りで住宅の省エネ性能を高めようという「パッシブデザイン」にも注力しています。
具体的には、深い軒で日差しを遮ったり、庭木で風向きをコントロールしたり。
窓の大きさ一つでも、住宅の断熱性や快適性は大きく違ってくるんですよ。
ミサワホームの場合はアルミ樹脂複合サッシやLow-E複層ガラスを標準で採用している点も高評価されているポイント。
建物の中で最も熱が逃げやすいのは窓やドアなどの開口部なのですが、こういった断熱性の高い窓を採用することで熱の流入や流出を効果的に抑えることができるのです。
結果的にエアコンの効きも良くなりますし、省エネにもつながっているんですよ。
断熱材だけではなくトータルで断熱性能の高い設計になっている家なら、高額のオプションで床暖房をつける必要もないでしょうし、長い目でも見てもコストカットにつながります。
※ミサワホームの床暖房についてはこちらの記事で紹介していますのでぜひご覧になってみてください。
⇒ ミサワホームの床暖房で頭寒足熱。価格と快適性をチェック!
どれほど優れた断熱材を使っていたとしても、こういった工夫がなければ期待するような快適性は得られないでしょう。
家を建てる際には、断熱材の種類や入れ方だけではなく、トータルで見てそれを生かせる設計になっているのかどうかも要チェックですね。
さらにミサワホームは、2019年8月に斬新な暑さ対策ツールを発表しました。
それは、「蒸発冷却ルーバー」というもの。
出典:ミサワホーム総合研究所 「水滴の下垂と落下を利用した蒸発冷却ルーバーの開発」
夏に打ち水をすると涼しくなる、あの原理を使った日本ならではの暑さ対策ツールです。
ナゼ打ち水をすると涼しくなるかというと、水の“気化熱”で濡れた地面の温度が下がるから。
ミサワホームでは、この原理を応用して「ルーバーに水を滴下→立体的に蒸発冷却を行う」ということができないか?と考えて研究を重ねてきたのだそうです。
水には「表面張力でひとつのところにまとまる」という性質がありますが、光触媒と多孔質材を利用することで水を「濡らし広げる」ことを実現。
写真のように、ルーバー全体に水を広げ、その気化熱で周辺の空間を効果的に冷やすことができるんですって。
水滴の下垂と落下の絶妙なバランスを利用したドリップルーバーでは、水滴が完全には落下せずルーバーの格子の間に“お餅のように”垂れ下がった状態を長くキープ。
これにより、効果的に周辺の空気を冷やし続けることができるというわけです。
科学について知識がないと簡単なことのように思えるかもしれませんが、実はこれは非常に難しい技術であり、このルーバーは画期的な商品。
日本に古くから伝わる「打ち水」に注目したところが、パッシブデザインを謳うミサワホームらしいな、と感じます。
一般的に、熱は開口部から出入りすると言われています。
実際、冬場は窓の近くにいると外からの冷気を感じますよね。
それが大きな窓であればなおさら熱を奪われやすいわけですが、ミサワホームの新商品「CENTURY Primore」は窓が大きいのに断熱性が損なわれていないというのが強み。
出典:ミサワホーム 公式サイト CENTURY Primore
なぜそんなことが実現可能なのかというと、新開発の「120㎜厚木質パネル」(センチュリーモノコック)にその秘密があります。
これは南極の昭和基地でも採用されているパネルで、パネル同士を超強力な接着剤と釘で入念に接合しているのが特徴です。
どの方向からの加重も受け止めて分散できるので、地震に強いという点もアピールポイントですね。
公式サイトには断熱材については触れられていませんが、栃木ミサワホームが作成したパンフレットに記載がありましたのでご紹介します。
出典:栃木ミサワホーム 公式サイト CENTURY Primore
この資料によれば、「高性能グラスウール使用」とありますので使用している断熱材の種類自体は従来の商品と変わっていません。
ただ、UA値が0.48ということで、従来の数字(0.55)を更新していますね。
大開口なのにこの数字を実現できているということは、この新仕様の「120㎜厚木質パネル」の効力なのでしょう。
光熱費も30年間で約800万円もの違いになるようなので、この違いは大きいですね。
「大きな窓のある家にあこがれはあるけど、寒さや暑さが心配だ」という方は、あえて真夏や真冬を狙ってぜひモデルハウスを体験に行ってみましょう!
ミサワホームのセンチュリーシリーズについてはこちらでも紹介していますので合わせてチェックしてみてくださいね。
⇒ ミサワホームの最上位ブランド「センチュリー」価格は70万円/坪から
このように、住宅の断熱性能を向上させるには多角的なアプローチが必要となります。
しかし、そうはいっても断熱材の種類や施工方法がかなり影響していることは間違いありませんので、今一度ミサワホームの家の断熱材の特徴について確認しておきましょう。
- ミサワホームで採用されている断熱材はグラスウール
- 「カビやすい」という説は誤解
- だたし、施工の仕方によって断熱性能に差が出やすい
- ミサワホームでは「充填工法」を採用している
- 断熱材以外にも、間取りやサッシの工夫で断熱性能を向上させている
賃貸住宅とは違って、外からは見ることのできない断熱材の種類までも選べるというのが注文住宅の魅力。
マイホームを購入するのであれば、ミサワホームに限らず、「どのような断熱材が」「どんな風に施されているのか」納得いくまで調べてから決めるのが理想的ですね。
単なる「綿」に見える断熱材ですが、そこには様々なこだわりや試行錯誤が詰まっているのです。
平屋建ての総合情報
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