建売の諸費用が払えない場合【2024年】ローンに組み込むことはできますか?
目次
- 最初に知っておくべき!建売住宅の購入時にかかる諸費用とは?
- 諸費用を少しでも抑えることはできる?
- 自己資金から諸費用を払うことが難しい場合は?
- オーバーローンの概要と注意点
- 諸費用ローンの概要と注意点
- ローンを利用して諸費用を支払った方の体験談①
- ローンを利用して諸費用を支払った方の体験談②
- 親から借りるメリット・デメリット
- 自己資金が少ない場合の3つの方法
- 勤務先の「社内融資」を利用するという手もある
- 「手付金」は減額交渉ができる
- 手付金は自分自身を守るものでもある
- 【コラム】建売住宅とは?注文住宅と、どう違うの?
最初に知っておくべき!建売住宅の購入時にかかる諸費用とは?
住宅購入費について調べていると、「諸費用」という言葉をよく目するのではないでしょうか?
諸費用とは、住宅の購入や新築の際に、土地・建物の購入価格や建設費用以外に必要な費用の総称。
▶引用元 https://suumo.jp/yougo/s/syohiyou/
具体的には、登記に関わる税金、ローンの保証料と事務手数料、団体信用生命保険、火災保険料・地震保険料、地鎮祭・上棟式費用などがあげられます。それだけでなく、引越し費用や、家具・家電購入費なども諸費用に含まれます。
京都不動産NETのサイトに、下記のような諸費用の概算シミュレーションがあります。
http://www.kyoto-realestate.net/expenses/
3000万円の住宅購入の際に、
頭金なしで3000万のローンを組むと諸費用はいくらになるか試してみましょう。
・売買契約書 印紙代:約3万円
・仲介手数料:約103.7万円
・不動産取得税:約67.5万円
・登記費用・登録免許税:約60万円
・住宅ローン抵当権設定登記:約17万円
・住宅ローン事務手数料:約5.4万円
・火災保険料:約40万円
・固定資産税:約10万円
合計で消費用は約306.6万円という結果になりました。
3,000万円の家を買うのに、3,000万円の住宅ローンだけでは全く足りませんね。
また、引越し代金等含まれていない物もあるので、さらに出費が見込まれます。
これらのお金は一度に支払うわけではなく、それぞれに支払うタイミングが異なります。
1.住宅購入前に支払う
・売買契約書の印紙代
2.住宅購入時に支払う
・仲介手数料
・不動産取得税
・登記費用・登録免許税
3.住宅ローン利用時に支払う
・住宅ローン抵当権設定登記
・住宅ローン事務手数料
・火災保険料
建売住宅購入の場合、購入決定から住宅引き渡しまでの期間が短いため、短期間に大きな金額を支払う事になります。
一般的に、諸費用の目安は購入価格の「5~10%程度」と言われています。
ですが、中には上限金額が決まっているものと決まっていないものがあり、シミュレーションはあくまで目安であることに注意が必要です。
諸費用を少しでも抑えることはできる?
ただでさえ安くはない住宅購入なのに、家の代金以外にも高額な支払いがあるのは大変です。
そこで、少しでも節約できるところがないか調べてみました。
大阪府にて不動産業務を行っているアーバン・サイエンス様のブログに、節約方法についての記事があったのでご紹介します。
https://www.realinfobank.com/blog/expenses-useless/
記事内では以下の3つが削減できる諸費用として紹介されています。
1.仲介手数料
2.住宅ローン代行手数料
3.火災保険
仲介手数料と聞くと、アパートやマンション等の賃貸物件を管理する会社に支払うイメージがありませんか?
しかし、住宅の売買にも仲介手数料の支払いを求める業者があります。
仲介手数料自体は法律により上限が定められているので、法外な金額を請求される事はありません。
一方、下限は決められていないので、0円でも問題はありません。
もともと仲介手数料0円を謳っている不動産会社もあります。
また、ハウスメーカーからの直接購入であれば、仲介者はいないのでこちらも仲介手数料は0円となります。
もし気に入った物件に仲介手数料がかかるのであれば、値段交渉の余地はあります。
先ほどのシミュレーションでは約103.7万円でした。
これが0円にできたらかなりの節約になりますね。
住宅ローン代行手数料は、各社様々な呼び方をするようですが、「不動産業者が借主に代わって住宅ローンの相談を銀行にしてくれることへの報酬」を意味します。
▶引用元https://yossiememo.com/loan2/
この費用についても、最近では請求しない不動産会社やハウスメーカーもあります。
さらに詳しく調べると、場合によっては支払の必要がなくても請求されている事もあるのだとか。
https://miraie-f.co.jp/contents/7499
仲介手数料に比べれば額面は小さいですが、こちらも安くはない金額なので、0円にできるならしておきたいですね。
火災保険料については、残念ながら0円にすることは難しいです。
火災保険そのものは任意保険なのですが、住宅ローンを組むときの条件として加入が必須であることがほとんどだからです。
https://www.navinavi-hoken.com/articles/fire-insurance-detached-house
ですが、生命保険等と同じく、加入時の保証プランを本当に必要なもののみに厳選し、金額を下げる事が可能です。
アーバン・サイエンス様のブログは、他にも不動産全般について詳しく説明している記事がたくさんありますので、知識を増やしたい方は是非ご覧くださいね。
自己資金から諸費用を払うことが難しい場合は?
仲介手数料と住宅ローン事務手数料を0円に節約できたとしても、残金は約197.5万円です。
車種にもよりますが、新車が買えてしまいますよね。
全額支払えても、財布が空になって生活もままならなくなってしまっては困ります。
自己資金が足りない場合、どうすれば良いのかというと、銀行に借りるしかないですよね。
既に住宅ローンもあるので、ローンを増やさない事に越したことはないのですが、背に腹は変えられません。
諸費用の為のローンは2種類あります。
出典:https://star-forest.biz/blog/2852/
主な2つローンとは、「諸費用ローン」と「オーバーローン」です。
「諸費用ローン」とは、その名の通り、住宅取得に関する諸費用を支払うためのローン。
住宅ローンとは別にローンを組むことになります。
もうひとつの、「オーバーローン」とは、住宅ローンの金額を増やして、購入する物件の価格以上のお金を借りることです。
通常、住宅ローンといえば、家や土地を担保にするため、問題が発生して返済が滞った場合は、銀行が家や土地の抵当権を行使し、ローンの残金を回収します。
住宅ローンの金額が家や土地の価値を上回る事は基本的にはないのですが、価値を上回る金額を借りるため「オーバー」ローンと呼ばれます。
つまり、「諸費用ローン」も「オーバーローン」も「現金を用意できないが、家を買いたい」という方をサポートするためのもの。
ただし、あくまでもローンであるため相応のデメリットがあり、注意が必要です。
オーバーローンの概要と注意点
ここまでは、物件の価格に諸費用分の金額も上乗せして、購入物件の価値以上の金額を借りる「オーバーローン」をご紹介しました。
住宅購入に関係するお金が全部借りれるなら安心!と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、「オーバーローン」はあくまでもローンであるためリスクやデメリットもあります。
住宅・不動産専門サイトの「オウチーノ」様に、詳しい説明があったので、分かりやすくまとめてみました。
出典:https://o-uccino.com/front/articles/49331
(1)禁止事項
住宅購入の為にオーバーローンを借入する場合、そのお金はあくまでも物件の購入費用と諸費用に限られます。
多めに借り入れし、例えば車の購入費用などの住宅に関係ない部分で使用する事は、詐欺などの違法行為となります。
(2)メリット
金利が低くなっていることをご存じの方がほとんどかと思いますが、金利が低いという事は借金をしても利息が増えにくいという事でもあります。
ただし、住宅ローンを借り入れると「住宅ローン減税(控除)」が受けられます。
これは、年末のローン残高の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除する制度です。
▶引用元https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html
住宅ローンの代行等を行う「ファミリーライフサービス」様のコラムに、オーバーローンを借り入れした場合の「住宅ローン減税の控除額の試算結果」がありますので、こちらも参考にしてみました。
出典:https://www.familyls.jp/column/loan/overloan/#content02
試算では「オーバーローン」の利息の合計金額よりも、住宅ローン減税で受けられる控除額が上回り、得であるとの結果が出ています。
(3)デメリット
最大のデメリットは借入額が大きくなる事で、毎月の返済額が増える事です。
現在は低金利となっていますが、今後どうなるかはあくまで予測しかできないため、場合によっては金利が跳ね上がる場合もないわけではありません。
また、借入金額が大きい場合、金融機関が設定する金利が低くしてもらえない場合もあります。
さらに、注意したいのが「オーバーローン」の物件は、売却が難しいとされていること。
なんらかの事情で家を手放したくても、できない場合があるのは大きなリスクです。
諸費用ローンの概要と注意点
次に「諸費用ローン」について詳しく見ていきましょう。
「住宅ローン比較.jp」様の「オーバーローン」と「諸費用ローン」を比較した記事を元に解説します。
出典:https://housingloan.jp/ct_homeloan/index61.html
(1)金利
・オーバーローン:住宅ローンと同じ金利が適用される
・諸費用ローン:住宅ローンよりも金利は高くなる
(2)使用用途の制限
・オーバーローン:借り入れ対象とならない費用がある(不動産取得税、引っ越し費用等)
・諸費用ローン:オーバーローンよりも自由度が高い
(3)その他諸費用ローンのデメリット
・借入額の上限が設定されている場合がある
・住宅ローンとは別に融資手数料が発生する場合がある
・トータルでの借入金額が増えるため、毎月の返済額が増える
「諸費用ローン」では、「オーバーローン」のように、「住宅ローン」の低金利は適用されないため、同じ金額を借り入れしたとしても返済額が増えてしまいます。
しかし、「オーバーローン」に比べ使用用途の制限が緩いため、引っ越し費用等にも充てられるのは大きなメリットです。
金利は高いが自由度も高い「諸費用ローン」と金利は低いが自由度も少ない「オーバーローン」、それぞれにメリット・デメリットがあります。
どちらもローンなので、よく吟味して選択しましょう。
ローンを利用して諸費用を支払った方の体験談①
では実際に、諸費用分もローンでまかなった方の話を見ていきましょう。
ブログ「建売暮らし」様の「小経費分のローン借り入れをした実体験」記事を例にご紹介します。
出典:https://tsumadesu.com/syohiyou-loan/
こちらのお宅では土地と建物の購入代金約2000万円に対し、諸費用の合計は約214万円と、少々高額です。
諸経費分のローンを借りるメリットとして、手持ちの現金が減らない、若くても家が買える、低金利であること、好きなタイミングで繰り上げ返済可能である事をあげています。
確かに、住宅ローンといえば返済期間を35年とする方も多いと思いますが、25歳で返済を始めれば60歳には返済完了となります。
35歳で始めた場合、返済完了が70歳となり定年退職後もローンの支払いが残る事を考えると、メリットが大きいと言えますね。
デメリットとして利息が増える、ローン期間が長くなる事をあげています。
いくら低金利とは言え、元金が増えれば利息も増えます。
また、繰り上げ返済してもなかなか残高が減らないこともあるでしょう。
ローンの返済開始が若ければいいですが、35歳で35年ローンを組んだ場合、返済完了は70歳です。
定年後にローン返済が残っているのはリスクが高そうです。
では、こちらのお宅で諸経費分のローンを借りるという選択をした理由は何でしょうか。
1.好きなタイミングで繰り上げ返済が可能
2.団信が利用可能
この2つが決め手となったようです。
団信が使えれば、万が一の場合はローンの返済がなくなるので、残された家族も安心ですね。
ローンを利用して諸費用を支払った方の体験談②
ブログ「yokoyumyumのリノベブログ」様にも「諸経費分のローン借り入れをした実体験」記事がありましたので、ご紹介します。
出典:https://www.yokoyumyum.com/entry/zeromoney
こちらのお宅で購入したのは、戸建ではなくマンション。
しかし、購入にあたってローンを組むのは、戸建てもマンションも変わりはありません。
諸費用をローンでまかなってでも住宅購入を決めた理由は、以下の5点です。
1.早く購入したかったから
2.ローンの名義人の年齢が40歳になる年だったから
3.金利が低かったから
4.頭金なしでの購入の方がお得さったから
5.住宅ローン減税で浮いたお金を貯金したかったから
40歳で35年ローンを組むと返済完了は75歳です。
繰り上げ返済するとしてもかなりギリギリのラインだと思います。
注目すべきは4の頭金なしでの購入の方が得という点です。
実際にシミュレーションした金額も公開されていますが、諸費用と準備費用を毎月貯金したとしてもそれなりの年数が必要です。
その間も、賃貸等に住んでいれば毎月家賃はかかります。
こちらのお宅の場合、家賃まで含めて計算すると、頭金なしの方が235万円得という結果になっています。
住宅ローン減税の事がなくても、235万円得というだけで、ローンを借りてでも住宅購入に踏み切るには十分過ぎるくらいですね。
親から借りるメリット・デメリット
お金が足りないとなった時に、一番メジャーな方法が「親に借りる」ではないでしょうか。
しかし、住宅購入でお金を借りるとなると、普段の買い物で手持ちが足りない時に貸してもらうのとはわけが違ってきます。
金額等によっては贈与とみなされ、国から税金の支払いを求められるケースもあるので注意が必要です。
では、贈与とみなされないためにはどうすればいいのでしょう?
OAG税理士法人のサイト「アセットキャンパス」様による対策方法をまとめてみました。
出典:https://www.oag-tax.co.jp/asset-campus-oag/debt-donation-tax-from-parent-750
▼親からの借金が贈与と疑われないための対策方法
1.契約書を作成する
2.返済の証拠を残す
3.金利をつける
4.返済可能な金額を借りる
基本的には銀行で借りるのと変わりませんね。
異なる点は、銀行は返済を遅らせるわけには行きませんが、家庭にもよりますが、親に借りた場合は何とかなるという点でしょうか。
また、あえて「返済の証拠を残す」必要があるのも、普段とは変わってきますね。
親に借りたお金という事で、返済方法も現金でそのまま渡したり、金額分何かをごちそうしたりという事もあるかと思います。
しかし、証拠がないと万一贈与が疑われた場合に、弁解できなくなってしまいます。
贈与税の税率は高く、控除はあってもかなりの金額が必要となります。
お金がないから借りているのに、証拠がなくて多額の税金を払うことになっては本末転倒です。
実際に、どれくらい税金がかかるのでしょう?
たとえば、500万円借りた場合の贈与税は53万円となります。
出典:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm
金額によって税率や控除額は変わりますが、住宅ローン等の金利に比べればはるかに高い金額になることは間違いないので、注意しましょう。
また人に借りるという事は、今後の関係に変化が出てくる可能性があることにも注意が必要です。
例えば不動産情報サイトの「不動産売買.net」様の体験談をみてみましょう。
出典:https://fudosanbaibai.net/20160625_78/
もともとは対等に笑い話ができるほど仲の良かった親族でしたが、親族に借金をした結果、付き合いに気を使うようになってしまったそうです。
お金の貸し借りは相手との関係性も変えてしまいます。
ニュースでも金銭トラブルがもとになった事件が、よく報道されています。
金融機関以外で貸し借りを行う時は、十分配慮しましょう。
自己資金が少ない場合の3つの方法
ここまでは、家を購入したいけど諸費用分の自己資金が足りない場合、どうすれば良いのかみてきました。
諸費用分の資金が足りないときに利用できる主な方法としては、以下の3つがあります。
・住宅ローンに上乗せして借りる「オーバーローン」
・諸費用の支払の為に住宅ローンとは別に借りる「諸費用ローン」
・家族にお願いする「親ローン」
近年の超低金利や住宅ローン控除の恩恵で、ローンを組むことによって逆に得をするケースがあることも分かりました。
ローンなので、やみくもに借りるのは大変危険ですが、人生設計やマネープランをしっかりと検討して賢い使い方ができると良いですね。
大きな金額の買い物なので、自分だけで考えているのも不安という方は多いと思います。
そんな時は、住宅ローンについての相談窓口などを利用するのも良いでしょう。
▼住宅ローンの主な窓口は4つあります。
1.住宅展示場などの相談コーナー
2.金融機関のコールセンター
3.金融機関の窓口
4.金融機関のビデオ通話
家計と照らし合わせて、どのようなマネープランが自分に合っているか、金融のプロに相談できるのは心強い!
当然ですが、あくまで相談であり、審査ではないのでご注意ください。
審査に関連する事には回答できないので、いくらまで借りられるかといった相談はできません。
勤務先の「社内融資」を利用するという手もある
建売を購入する際の諸費用をどうにも捻出できない・・・という場合、勤務先の「社内融資」を利用するという手もあります。
全ての企業にこの制度があるわけではありませんが、福利厚生として社員の住宅購入をバックアップしてくれる企業があるのです。
「従業員貸付制度」と呼ばれることもある制度ですが、具体的にどのくらいの金額を借りられるのでしょうか。
企業によって異なりますが、100万円借りられる場合もあります。
諸費用が300万円かかるとしたら、そのうち1/3をまかなえることになりますね。
「あとちょっと足りない・・・!」という時には非常に助かる制度です。
ただ、「そんなことでお金を借りたら、昇進に影響するのでは・・・」と心配にもなりますね。
しかし、この社内融資はあくまでも「福利厚生」ですから、出世には全く影響しません。
他のローンに比べて審査も甘い上、金利が低いというのもメリット。
ただし、以下のような注意事項もあります。
- 住宅ローンや車購入など、緊急性の低い用途には使用できない場合も多い
- 申し込みから融資まで2~3週間かかることが多い
- 勤続年数に応じて借りられる金額が異なる
また、返済は給与から天引きまたは口座振替になりますが、この支払いが滞ると出世にも影響します。(多くは、月1万程度の返済で、無理なく返せる金額です)
このように、ちょっとキビシイ条件もありますが、利用できるのであれば使わない手はありません。
一つの企業に長くお勤めされている方ほど有利になりますので、ご自身の勤務先にこの制度があるかどうか一度確認してみることをオススメします。
「手付金」は減額交渉ができる
建売物件の契約時に必要な「手付金」が払えなくて困っている。
…そんな声も多く耳にしますが、「手付金は減額交渉できる」という情報も広く出回っています。
手付金とは現金または預金小切手で支払うもので、最低でも「物件価格の5~10%程度」と言われています。
3000万円の物件なら、150万円~300万円ですね。
手付金は、買い手側が途中で「やっぱりや~めた」と契約を破棄することを防止するためのもので、一度支払うと戻ってきません。
(※ローンの審査に落ちた場合は返金されます。一方、メーカー側のキャンセルなどで契約が破棄された場合は手付金の倍額が戻ってきます)
しかし、これはあくまでも「相場」であって、厳密に決まっているわけではないため、交渉次第では減額も可能。
さすがに「0円」にはしてもらえないと思いますが、交渉の余地はあるでしょう。
過去に交渉成立した方の経験によると、最低ラインは「100万円」で、さすがにこれを下回り金額についてはメーカー側も難色を示すようです。
また、交渉精巧のポイントとしては、「(現金が)ないから出せない」と正直に伝えるほうがメーカー側にも受け入れられやすいとか。
実際、最近はフルローンで家を買うこともめずらしくはないため、「自己資金がない」というのはなんらおかしなことではありません。
そういう方も多いので、メーカー側としても、「本当にないんだろうな」と認識してくれるでしょう。
メーカー側は契約してほしいわけですし、買い手は家を買いたい。
ローンは組めるから家の支払いはできる…となれば、手付金を少し減額したほうがメーカー側にとってもメリットとなるでしょう。
そこで渋って、他のメーカーに行かれてしまったほうが大損失。
ですから、手付金の金額交渉についてはわりと柔軟に対処してくれるメーカーが多いです。
ダメ元で切り出してみましょう。
手付金は自分自身を守るものでもある
「手付金は減額してもらうことができる」とお伝えしましたが、それは必ずしも良いことばかりではありません。
なぜなら、手付金を減額してもらうと、簡単に手付解除(途中でキャンセル)ができなくなるからです。
この手付金には「買います」という意志表示や、取引を最後まで円滑に進めるという意味があり、最後までなんら問題なく引き渡しが済めば売買代金に補填されます。
言って見れば「預け金」みたいな感覚ですよね。
ある意味ではメーカーに対する「誠意」の証でもあるので、住宅購入に対する本気度が試されるお金とも言えるでしょう。
なので、現金で支払う必要があり、「頭金がなくて諸費用が払えない」という状態であっても必ず用意しておくべきお金です。
この金額に決まりはなく、あくまでも交渉次第なのですが、極端なことを言えば手付金は「0円」にもできます。
⇒ 参考:真っ直ぐ不動産仲介 公式サイト 不動産売買契約の「手付金」をわかりやすく解説!
ただ、そうしてしまうと、契約をキャンセルしたいと思っても気軽にはできなくなるのです。
「損害賠償」が発生してしまい、メーカーに対して数百万円の賠償金を支払わなければならなくなることも。
それなら、手付金をなんとかして工面するほうが安全ですよね。
手付金は、メーカーにとっても買う側にとっても、「自分自身を守る」という重い意味があるということを頭の片隅にでも置いておきましょう。
【コラム】建売住宅とは?注文住宅と、どう違うの?
建売住宅と注文住宅、マイホームを手に入れようと思ったときに、最初に出会う単語ではないでしょうか?
念のため、その意味をおさらいしておきましょう。
建売住宅とは、不動産会社などが土地を仕入れて住宅を建設し、土地と住宅をセットで販売するもの。「分譲住宅」ともいう。
▶引用元https://suumo.jp/yougo/t/tateurijyuutaku/
注文住宅とは、建築主が、自分が選んだ施工会社と「建築工事請負契約」をかわして、建築する新築住宅のことを指します。
▶引用元https://suumo.jp/yougo/t/chuumonjyuutaku/
関連して、施工会社の所有する土地に注文住宅を建てる「売建住宅」という単語もあります。
家づくりには似たような単語がたくさん出てくるので、慣れるまでは戸惑うかもしれませんね。
建売住宅と注文住宅の違いは色々ありますが、一番の違いは設計の自由度ではないでしょうか。
建売住宅でも、要望を取り入れることが可能な場合もありますし、注文住宅だからと言って、なんでも自由になるわけではない場合もあります。
では、コストに関してはどうでしょうか?
一般的には建売住宅は安く、注文住宅は高いと言われていますが、選択するハウスメーカーや間取り、住宅設備にも左右されるため、一概にも言えません。
ですが、建売住宅の場合、通常のお買い物と同じように買い手がつかなければ値下がりするため、発売当初は高額だったとしても、最終的に低価格で手に入れられる可能性はあります。
また、住宅ローンを利用して住宅購入をされる方が大多数だと思いますが、ローンの返済総額にも差が出てきます。
建売住宅の場合は家と土地を同時に購入することになるため、ローンの開始も同時になりますが、注文住宅の場合は土地と家の購入タイミングが異なります。
基本的に住宅ローンは住宅が完成した後に始まり、購入資金が支給されます。
注文住宅の場合、
・家が完成する前に「土地の購入費」
・工事を始める前の「着工金」
・上棟時の「中間金」の支払い
などが発生します。
この「土地の購入費」「着工金」「中間金」を自分の資金から支払できればいいのですが、そうでない場合、住宅ローンの前借として「つなぎ融資」を受ける必要があります。
「つなぎ融資」は最終的に支給される住宅ローンで返済するのですが、借りているお金なので当然利息がかかります。
注文住宅の場合、建築期間が長いのが常です。
天候や資材の入荷状況、人材不足等、様々な要因で工事が遅れる事もよくあります。
工事をしている間は「つなぎ融資」の利息がかかるため、同じ土地代と建築費用の家を購入したとしても、注文住宅の方が「つなぎ融資」の利息分、最終的な支払額が高くなります。
同じ家を買うと想定しても、買うタイミングが異なることで、最終的な支払金額に差が出てくることを知っておくといいでしょう。
平屋建ての総合情報
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