低価格の桐の床材が出回っている理由は?
目次
高級材の代名詞、桐ですが床材に用いられるものは低価格。
低価格だから品質が悪いという意味ではなく、桐の特性自体が床材に向いているとはいい難いのです。
使用する場所を限定すれば、優れた床材なのかもしれませんが、、、。
諸説あるのですが「ピンキリ」の「キリ」は桐を指すとか、、、ちなみに「ピン」とは端材のことを指すそうです。
つまり「ピンからキリまで」とは、価格の安い端材から桐までという意味、桐は昔から高級木材の代名詞だったのです。
なぜ高級なのか、それは吟味した桐の中から、さらに吟味した部分を桐材として用いてきたから。
1本の木の1割程度しか、高級材の桐は取ることができません。
昔の桐のタンスといえば、そういうものでした。
しかし、最近では驚くほど安価な桐のタンスが出回っていることでもわかるとおり、輸入材の桐は非常に安価です。
床材になってしまうと、スギやヒノキ並みの価格、5,000円/平方m程度ですんでしまいます。
安価なのは非常にいいことです。
しかし、この素材を床材に用いるのでしょうか、、、本当に?
飛行機の模型などに用いられるバルサ材は、非常に軽い木材ですが、桐はそれにつぐ軽さです。
これは組織の中に空気を含んでいるからで、もっというと床材としてはスッカスカなのです。
空気を含んでいることでメリットはもちろんあります。
熱伝導率が非常に低くなりますから、冬は暖かく夏は冷たく感じるでしょう。
復元性も高くなりますから、多少のヘコミならば自ら回復します。
下駄などに用いられてきたことでもわかるとおり、やわらかいので裸足で歩くには心地よい素材です。
他のメリットとしては、水分を通しにくいという特性があります。
つまり汚れが表面で止まり中にしみこまない、この点では床材には向いているといえるでしょう。
また、タンスに用いられていたことでもわかるとおり、防虫効果も高いですし、加工性も非常によいという特性も見逃せません。
しかしスッカスカですから、非常に強度が低いというデメリットもあります。
また、タンニンという物質を多く含むので経年による変化で黒ずむのです。
色目も非常に白い素材ですから、汚れも目立つ特性があります。
加えて、自己復元性があるといっても、キズが付きやすいことには変わりがありません。
ですからオススメはしませんが、寝室などあまり人の出入りがないような部屋限定ならば桐の床材もありなのかなと思います。
最近では桐の床材を出しているメーカーも数多いことから考えると需要はあるのでしょう。
しかし、昔から適材適所という言葉もあるとおり、桐を床材にするのは避けたほうがよさそうです。
よく似たところでモミを使うというのはいかがでしょうか、、、。
桐の床材が出回っている理由の一つに、「車椅子にやさしい」という特徴が挙げられます。
高齢化が進む日本では、「車椅子でも安心」は、もはや新築住宅に必須の条件でしょう。
車椅子の場合、「カタい」「滑りやすい」はスピード調整がしにくいので危険。
転倒した場合のケガのリスクを考えても、「滑りにくくて柔らかい床材」が好ましいのです。
桐のフローリングは、まさに「やわらかくて、滑りにくい」
バリアフリー住宅の必要条件を満たしてくれる素材です。
ただ、車椅子を使うとなれば、なおさら「キズ」が気にますね。
キズがつきやすいという理由で桐の床材を避ける方も多いですが、桐は広葉樹なので、年輪の「夏目」と「冬目」が曖昧。
針葉樹だと、夏目よりも冬目がハッキリ違っていて、夏目のほうが密度が詰まっていてカタいという特徴があります。
しかし、広葉樹はこのようなバラつきが少ないのが特徴。
それゆえに、キズへの耐久性が高いと言われています。
桐は特徴的に「針葉樹」に似ていますが、実は広葉樹。
なので、夏目と冬目が針葉樹ほどはハッキリとしておらず、一般的に言われているよりはキズへの耐久性もかなり強い方なのです。
こちらで紹介されている、杉フローリングとの比較がとてもわかりやすかったのでシェアします。
出典:KIRIZAI 公式サイト 本当に傷つきやすい?桐フローリングと他の床材の傷について考える。
また、桐は特殊な構造をしていて、夏目(年輪の密度が低い)のほうがカタい!
それもあって、長い目で見れば、実は「キズが目立ちにくい」優秀な床材と言えるのです。
平屋建ての総合情報
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